相続で不動産を取得したとき、相続人が複数人いると遺産分割協議書を作成しなければならないケースがあります。
そこで遺産分割協議書の書き方と、注意点について確認していきましょう。
不動産相続で作成する遺産分割協議書の書き方
相続した不動産の登記に必要な遺産分割協議書には、法律で定められた書き方はありません。
しかし必要事項が記載されていないと、法務局で登記手続きできない恐れがあります。
そのため協議書は項目に不備がないよう、正しく作成してください。
遺産分割協議書の記載項目は、次の通りです。
●被相続人の本籍、住所、死亡日
●土地の所在、地番、地目、地積(取得する人の割合も記載する)
●建物の所在、家屋番号、種類、構造、床面積(取得する人の割合も記載する)
●手続きにかかる費用負担の方法や、新たな財産が見つかった場合に関する記載
●全員で協議し決定した事項である旨の記載
●相続人全員の本籍、住所、続柄、署名・押印(実印)
土地と建物の表示については、登記簿謄本の通りに正確な記載が必要です。
所在とは住所のことではないため、必ず登記簿謄本で確認してください。
そしてマンションの土地については、敷地権(持分)も記載します。
なお不動産登記のために記載する財産は、不動産のみの遺産分割協議書で十分です。
一般的には預貯金や株式についても記載しますが、不動産の登記ではすべての財産を記載する必要はありません。
不動産相続で作成する遺産分割協議書の注意点
相続人が1人だけであるか、遺言書の内容通りに分割する(遺言書がない場合は法定相続分で共有する)のであれば、遺産分割協議書の作成は不要です。
しかし遺言書の内容や法定相続分と異なる内容で分割する場合は、協議書を作成する必要があります。
このほか、以下の注意点を確認しておきましょう。
遺産分割協議書は全員分を作成する
遺産分割協議書は、全員が同意した内容を記載してください。
なお話し合いは、全員が同席して協議しなくても問題ありません。
代表者が協議の指揮をとり、ほかの相続人と交渉するケースが一般的な方法です。
そしてあとから全員が内容を確認できるよう、遺産分割協議書は全員分作成しましょう。
全員分作成したあと、それぞれに署名(直筆)・押印(実印)します。
もし協議書が複数枚にわたる場合は、全ページに割印してください。