賃貸物件の退去時には義務付けられているハウスクリーニングですが、売却の際は義務ではありません。
しかしスムーズな売却を目指すなら、やはりプロの手によるクリーニングをおすすめ。
ここではその理由とハウスクリーニングの費用相場について解説します。
不動産売却時のハウスクリーニングがおすすめの理由とは?
不動産を売却するには内覧を成功させることが大事なポイントです。
内覧者は通常、多くの物件を見て"理想のマイホーム"を探しているので、ハウスクリーニングをしていない状態で内覧をおこなうことは大きなリスクになることも。
もし内覧時に"お風呂の隅が汚れていた""キッチンの壁にシミが残っていた"などがあれば、購入を見送る可能性が高くなることでしょう。
その結果、以下のような弊害が考えられます。
売却に時間がかかる
一般的に不動産が売り出されてから成約までにかかる時間は3か月前後といわれています。
これを過ぎると"売れにくい物件"となり、売主にとって値下げを視野に入れないと売れない状況になります。
そのうえ、売却に時間がかかるだけ維持費もかかり、マンションの管理費や固定資産税など、住んでいなくても支払わなければならず、無駄な出費となります。
値引き交渉されてしまう
汚れが目立つまま引き渡しになれば、その後対処するのは買主側です。
そのため、値引き交渉の材料を与えてしまうことになりかねません。
「流し台を修理する必要があるから」「レンジフードを交換しなければいけないから」など、数十万円単位の値引きを要求されるケースもあります。
売れ残り物件とみなされる
売主がもっとも避けたいのは物件の"売れ残り"です。
半年以上買い手がつかないと "売れ残り物件"とみなされ、物件の価値は下がっていきます。
長期間売りに出ていることで、「何か欠陥があるのではないか」「いつも売りに出ているから急がなくていい」と思われる傾向があり、内覧者は減少していきます。
その分成約につながらず、最終的には不動産会社に買いたたかれて安値で手放すことになるかもしれません。
このようなリスクを回避するためには、コストはかかっても専門家の手によるハウスクリーニングをおすすめします。
不動産売却時のハウスクリーニングの費用相場とは?
ハウスクリーニングは部屋全体、もしくは気になる箇所だけでも依頼でき、掃除する範囲が広いほどコストは高くなります。
部屋の広さによる費用相場
以下は空き家の場合の費用相場の目安ですが、居住中であれば2~3割程度高くなります。
●1R・1K:18,000円~21,000円
●1DK・2K:22,000円~25,000円
●1LDK・2DK:28,000円~31,000円
●2LDK・3DK:39,000円~42,000円
●3LDK・4DK:42,000円~45,000円
●4LDK・5DK~:46,000円~
場所別の費用相場
業者によってはパック割引などもありますのでいくつか比較検討するといいでしょう。
●浴室:12,000円~18,000円
●キッチン:12,000円~20,000円
●レンジフードや換気扇:7,000円~12,500円
●トイレ:6,000円~9,000円
●洗面所:7,500円~10,000円
●床のクリーニング・ワックスがけ:8,400円~15,000円(6畳あたり)
●エアコン:8,000円~15,500円