傾斜地にある不動産では擁壁があるケースが多く見受けられます。
擁壁がある不動産は見晴らしが良いといった利点がある反面、安全性や修繕費用に対する不安から売れにくいともいわれています。
しかし、すべての擁壁が不動産売却において不利になるわけではありません。
ここでは、擁壁が売却に及ぼす影響や自身での判断方法について解説します。
擁壁が不動産売却に及ぼす影響とは?ポイントは「安全性」
擁壁があること自体が直接売れない理由となるわけではありません。
たとえ擁壁があっても、安全性が確認できる擁壁は売却への影響はないと考えても良いでしょう。
なぜなら、安全な擁壁は国の基準に遵守して施工されているため、豪雨などで安易に崩壊するリスクがほとんどないからです。
安全な擁壁とは、開発許可・宅造許可・建築確認申請のいずれかの申請手続きをおこない、工事完了後に検査済証が交付されている擁壁のことです。
安全性が確認された擁壁においては、擁壁が原因でマイナスになることはなく相場価格で不動産売却が可能です。
一方で、安全性が確認できない擁壁は売却において不利になります。
平成12年以前に建てられた擁壁は安全性が確認できないものが多く、崩壊の恐れがあることからそのままの状態では家を建て替えることができません。
そのため、擁壁の工事費用を差し引いた価格で売却することになり、売却価格が安くなるだけでなく場合によっては工事費用のほうが上回り売却できないケースもあります。
安全性が確認できない擁壁がある不動産の所有者になってしまうと責任やリスクを負うことになるため、買い手が付かないのが現状です。
そのほか、他人の土地にある擁壁の下に土地を所有している場合、その土地の売却にも影響を及ぼすことを念頭に置いておきましょう。
不動産の売却にあたって擁壁の安全性を確認する判断方法とは
擁壁の安全性を確認するには、自分自身で確認する方法と専門家に依頼する方法があります。
しかし、自分自身で確認するのは難易度が高いため、一級建築士または不動産会社に依頼するのがおすすめです。
また、不動産会社だと擁壁の工事費用も概算で教えてくれるでしょう。
それらも含めて売却を思い立ったら、不動産会社に査定依頼するのがおすすめです。