不動産売却においては、その面積や築年数だけでなく、周辺環境も重視されやすいポイントのひとつです。
とくに、近隣に位置する建物の種類によっては、価格に大きく影響する場合もあります。
そこで今回は、暴力団事務所が近くにあるケースについて、売却価格への影響や売却価格、注意点を解説します。
暴力団事務所に近い不動産の売却を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
暴力団事務所が近いと不動産の売却価格にどう影響するのか
暴力団事務所の存在は、住民が不安に感じる要因であるため、生活圏内にある場合には環境的瑕疵とみなされます。
環境的瑕疵とは、日常生活を営むうえで心理的に支障が生じる要因を指します。
そのため、暴力団事務所が近い不動産の売却価格は、市場相場の75%~80%まで落ち込むケースも少なくありません。
なお、過去に近くで抗争や発砲事件があった、迷惑行為が日常的におこなわれている場合、さらに価格への影響は大きくなるでしょう。
暴力団事務所が近い不動産を売却する場合の注意点とは
暴力団事務所が近い不動産の売却では、告知義務をともなうの点が注意点です。
何らかの瑕疵を抱えている物件を売却する際には、売主はその内容について買主へ説明しなければなりません。
暴力団事務所が近いことは環境的瑕疵にあたるため、売却時には事前に伝える必要があります。
また告知義務を怠り、瑕疵について説明せずに売却すると、売主は契約不適合責任を問われる可能性があります。
契約不適合責任を問われると、契約の解除や損害賠償、代金減額などを求められる恐れもあるので注意が必要です。
暴力団事務所が近い不動産を売却する方法とは
暴力団事務所に近い不動産は、通常の売却とくらべて買主が見つかりにくいものの、工夫すればスムーズな売却も期待できます。
まず、売り出し価格を相場よりも安く設定する方法です。
相場よりも安いため、暴力団事務所が近くにあっても妥協できるという買主が現れる可能性があります。
また、建物を解体して更地の状態で売却するのもひとつの方法です。
駐車場の建設など居住が目的ではない買主にとっては、近隣施設はそれほど問題ではないでしょう。
ほかには、コインランドリー経営などを経て売る方法もあります。
賃貸物件の多いエリアであれば、コインランドリーの需要が高いので、安定した経営が期待できます。
まとめ
暴力団事務所が近い不動産の売却について解説しました。
暴力団事務所が近いと環境的瑕疵にあたるため、告知義務が発生し、売却価格は相場よりも安くなりやすいです。
売却方法としては、相場よりも安い価格で売り出す、更地として売るといった方法があるので検討してみましょう。
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